航空券をネット購入したりすると、座席を選択する事ができます。
ところが、実際に座席を選ぶとなると、どこが良いのか迷ってしまいますよね。
飛行機の座席は、窓側、通路側、前方、後方とそれぞれに長所と短所があり、過ごしやすさが異なります。
そこで、この記事ではそれぞれの座席の違いや選び方について解説します。
一番人気は非常口席とバルクヘッド
一般的に人気がある座席といえば
- 外の景色が楽しめる窓側(ウインドウ)!
- 移動に気を遣わない通路側(アイル)!
と、好みが分かれます。
ところが、飛行機によく乗る人におすすめの席を聞くと、多くの人が「バルクヘッド席」や「非常口席」と答えます。
バルクヘッド席とは、飛行機の隔壁(バルクヘッド)の目の前にある席。
目の前のスペースが広く、前にシートがないので開放感があります。
また、スペースが大きく取ってあるので、窓側から通路に出る時にもラクな人気の席。
もう一つの人気座席である非常口席は、非常口がある列のシート。
非常口の列はシートピッチ(シート間の間隔)が大きく、足下が少し広くなっている人気の席です。
個人的に利用しているのはバルクヘッドの窓側
個人的には、バルクヘッドの窓側がお気に入りです。
1人で飛行機に乗ることが多いので、窓側の壁にもたれかかってスグに寝ることができます。
離陸するときに眠りに落ちて、あと30分で到着くらいのアナウンスで起きるのがベスト。
真ん中や通路側だと、他の人がトイレに立つのに横切ったりすることがあるので、起きてしまうんですよね。
また、バルクヘッドなら前に席がなく、人の気配がないことも眠りやすく感じています。
飛行機の座席の種類
座席の種類というと、ビジネスクラスやプレミアムエコノミーといった高い座席を想像するかもしれませんね。
選べるならフルフラットで眠れるビジネスクラスがベストですが、エコノミークラスとはそもそも値段が違います。
一方、エコノミークラスであっても、座席には種類があります。
エコノミークラスはどの席でも値段は同じですが、座席の場所によってそれぞれ特徴があり、快適さが異なります。
実際に、ANAやJALといった日本の航空会社ではエコノミークラスの全ての座席を同じ値段で販売していますが、海外やLCC(ロー・コスト・キャリア)では座席の場所によって別料金がかかることもあります。
快適な席や、人気のある席は別料金、というコトですね。
座席は一概に「ココがベスト!」と言い切れるワケではなく、好みによって少しずつ変わります。
たとえば、「静かな席がいい!」という人もいれば、「気を遣わない席がいい!」という人もいれば、「できるだけ子供が迷惑をかけない席がいい!」と、好みが分かれます。
そこでまず飛行機の座席を選ぶ前に、飛行機にはどんな座席があるのと、それぞれの座席の特徴を見ていきましょう。
エコノミークラスで選べる8つの座席の種類
エコノミークラスの座席は大きく分類すると8つに分けられます。
- 前方席
- 後方席
- 窓側席
- 通路側席
- バルクヘッド席
- 最後尾席
- 非常口席
- 真ん中席
それぞれに特徴とメリット、またデメリットもあったりします。
なので、一通りの座席の特徴をザックリ理解しておいて、選べる座席から自分の好みの席を選ぶのが良いと思います。
前方席
飛行機で言うところの前方席は、翼よりも前側の座席。
羽根に付いているエンジンよりも前方にあるため、比較的静かなのが特徴。
また、前方は飛行機の乗り降りが早いのもメリットです。
飛行機に乗る機会が多い人は、前方席を好む傾向があるので、混みやすいのがデメリット。
音に敏感な人や、早く飛行機から出て行動したい人におすすめです。
後方席
後方席は羽根よりも後ろにある座席。
団体さんを入れるときには後方側なので、ワイワイガヤガヤしたいときには後方席がおすすめ。
前方席よりも騒音に寛容な空気感があるので、子供連れの時も後方席の方が気を遣わずに旅を楽しめます。
繁忙期や人気路線以外では、前方席はパンパンなのに後方席がガラガラなんてこともあります。
前方席で希望の座席が取れなかった場合は、ワンチャン隣がいない座席に座れる可能性があります。
窓側席
窓側席は、飛行機の座席の両端。
航空会社の予約を見ていると最初に埋まっていくのが窓側席。
外の景色が楽しめるので、飛行機を満喫できます。
窓側は自分さえ席を立たなければ搭乗から降機まで一度も動く必要がないので、2-3時間程度以内の国内フライトなら静かにゆっくり時間を過ごせます。
また、ゆっくり時間を過ごしたい一人旅にもおすすめです。
通路側席
通路側席は、飛行機を縦断する2本の通路に面した座席。
通路に面しているので、トイレが近い人や、定期的に足を伸ばしたりストレッチしたい人は通路側を選ぶ事が多いです。
窓側や真ん中席は、席を立つときにどうしても人をまたいでいったり、「ちょっと、スミマセン、、、」と席を立ってもらう必要があります。
なので、通路側は気を遣う人や女性に人気があります。
バルクヘッド席
バルクヘッド席は、飛行機の隔壁(バルクヘッド)の目の前にある席。
足下のスペースが広く目の前に人が居ないので、圧迫感なく座席に座っていられます。
足下のスペースが広いので、トイレに立つときも横の座席の人に気を遣う必要もありません。
開放感があるバルクヘッドのデメリットは、シート幅が狭いこと。
食事やドリンクを飲む際に使用するトレーが肘掛けに収納されているため、可動式の肘掛けの座席と比べて、座る部分の幅がどうしても狭くなってしまいます。
開放感があるとどうしてもやっちゃうのがコレなんですが、迷惑なのでやめましょうね。笑
最後尾席
最後尾席は、期待のイチバン後ろの席、と、中央出口の前の席。
つまり、後ろに人が居ない席です。
後ろに人が居ないので、神経質な人におすすめ。
飛行機のシートは、前後の間隔が狭いです。
そのため、後ろの人がトレーを出し入れしたり、座席を掴んで立ち上がったりと、座席にあたる振動がかなりダイレクトに伝わります。
暴れん坊の子供が後ろに座っているときなどは最悪で、座席を延々と蹴り続けられる事もあります。笑
そのため、外部からの干渉に神経質な人は、最後尾席を選択するというのもアリです。
飛行機の座席配列によっては、横に人がいない事も多く、カップルなど二人でイチャイチャしたい人にもおすすめです。
非常口席
非常口席は、非常口のすぐ後ろにある席。
出入りもしやすく、足下が広くなっています。
窓側でも中央でも、席を立つのに全く気を遣わなくてもOKです。
なので、一人旅はおすすめ。
非常口席のデメリットは、足下や膝上に荷物を置けないこと。
本やスマホなど小物は手に持っておけば大丈夫ですが、小さなバッグやノートパソコンなどを置いておくスペースはありません。
とはいえ、スペースの広い非常口席ならスッと席を立って荷物入れから必要なものをサッと取り出せるので、あまり苦にはなりません。
真ん中席
最後は、イチバン避けたい真ん中席。
2-3-2の配列なら「D」の席。
3-4-3の配列なら「B、F、J」の席が真ん中席です。
海外のエアラインやLCCでは、一番安い運賃の席が真ん中席。
国内線のANAやJALでは値段が同じで座席が選べるので、できるだけ真ん中席は避けたいところ。
とはいえ、座席指定やチェックインが遅いと真ん中席しか残っていないこともよくあります。
真ん中席は細かく説明する必要もないと思いますが、両サイドに気を遣い、通路に出るためには隣の人にどいてもらう必要があり、荷物の出し入れなんてとてもムリ。
寝ようにも両サイドが気になってまったく寝付けず、肘掛けを使うのにも気を遣って座席が確定した瞬間文字通り、肩身の狭いフライト決定です。
とにかくあらゆる手段を使って、避けたいのが真ん中席です。
唯一、真ん中席がOKなのはグループや家族での旅行。
知り合いなら気もラクなので問題ありません。
選び方
座席の違いをザッと見ていくと、なんとなくイメージは沸くと思いますが、まだハッキリと座席が決めきれないと思います。
そこで、状況や要望、タイプ別におすすめの座席をリストします。
寝たい人の座席の選び方
- 前方の座席
- 窓側の座席
静かでプライベート感があるのが寝やすい理由です。
前方の座席は人の行き来がそもそも少なく、エンジンの前にあるので後方に比べて静かです。
また、窓側の座席は片方が壁になっているので人の気配が少し減って若干プライベート感が増します。
トイレが近い人の座席の選び方
- 通路側の席
- 非常口席
- バルクヘッド席
トイレが近い人は通路へのアクセスが命。
通路側、非常口、バルクヘッドは通路へのアクセスが容易なので、トイレの際に隣の席の人に気を遣うこともありません。
ベストはトイレに近くアクセスも良い非常口席ですが、実際には取るのが難しいです。
通路側の席であれば比較的取りやすいので、しっかりと座席指定をしておきましょう。
後ろが気になる人の座席の選び方
- 最後尾席
- 前方席
飛行機で後ろの子供に席をガンガン蹴られた経験があると、ココが気になったりします。
仕事でストレスが溜まっていたり、どうしても寝たいときには最後尾席をチョイス。
シートの安全はガッチリ守られます。
あと、意外とおすすめなのが前方席。
前方席はキッズが少ないので、後部席と比べると暴れるお子様に遭遇する確率は格段に下がります。
子供キライな人の座席の選び方
- 前方席
- バルクヘッド
騒ぐ、泣く、奇声をを発するお子様が苦手な方は、前方席。
子供にとっては何時間も席に座っていないといけないのはかなりツラいんですよね。
また、子供は気圧で耳が痛くなってしまう事が多いのも仕方がないことだと思います。
文句を言っても仕方がないので、少しでも声が届かない前方に移動するのがおすすめです。
確率の問題ですが、子連れは後方席にアサインされる事が多いので、少しでも前の方が有利になります。
また、ビジネスやプレミアムエコノミーとの境になる前方のバルクヘッドであれば、バシネットの装備は付いていますがほとんど利用されることはありません。
なので、前方のバルクヘッドも子供に遭遇しにくい座席の一つです。
少しでも広い座席の選び方
- 非常口席
- バルクヘッド席
- 通路側席
最も広く開放感があるのは非常口席。
思いっきり脚を伸ばしても大丈夫です。
バルクヘッド席は前方の開放感こそありますが、壁があるので脚を伸ばすことはできません。
あと、実際に乗ってみると分かるのですが窓側のせきよりも通路側の席の方がスペース的なゆったり感はあります。
窓側は片方が壁なのに対して、通路側は通路自体をスペースとして使う事ができるのが理由です。
背もたれや肘掛けから通路側に少しはみ出したり、脚を広げることができるので広く感じるんですね。
少しでも静かな座席の選び方
- バルクヘッド
- 前方座席
エンジンから遠く、前側の座席であるバルクヘッドがエコノミークラスの中では最も静かです。
エンジンは後ろに排気するので後ろの方がうるさいです。
羽根の上は飛んでいる間は比較的静かですが、離着陸時のフラップ音が聞こえます。
非常口席やトイレの近くは人の行き来が多いので、静かではありません。
ギャレー付近もガチャガチャしているので、静かではありません。
みんなでワイワイ旅行の座席の選び方
- 後部座席
せっかくの旅行なので楽しく行きたいですよね。
ワイワイやりやすいのは後部座席。
やりすぎるのも問題ですが、前方は神経質そうななアダルトが多いのでワイワイできない空気感があります。
比較的ガヤガヤしている後部座席の方が気を遣いません。
子供連れの座席の選び方
- 窓側座席
- 真ん中座席
意外と頭を悩ませるのが家族旅行。
- 3人家族で3-4-3の飛行機
- 3人家族で2-3-2の飛行機
- 4人家族で3-4-3の飛行機
- 4人家族で2-3-2の飛行機
と、飛行機のシート配列に合わせて考える必要があるからです。
3人家族で3-4-3の場合はシンプルで、子供を窓側に乗せてあげられる座席を選べばOK。
ところが2-3-2の場合は、家族横並びで座ろうと思うと窓側の席が取れない。
家族まとまって座るのを優先するなら真ん中席。
窓側の席を優先するなら、前後がおすすめ。
通路をまたいでの3席という方法もあります。
4人家族の場合は2-3-2の配置なら窓側前後2列でOK。
ところが、3-4-3の配列だと、選択に少し悩む必要があります。
子供がいるので、できるだけ窓側を確保しなら、妥協できる座席を選ぶコトになります。
景色を楽しみたい人の座席の選び方
- 窓側座席
飛行機の空からの景色を楽しみたいなら、窓側座席。
人気の窓側座席をゲットするコツは、
- 航空会社のメンバープログラムに加入する
- 予約後に、航空会社サイトで座席指定をする
- できる限り早く、航空券を予約する
の3つ。
飛行機が空いていればチェックインカウンターで窓側のリクエストが通ることもありますが、繁忙期や人気路線の窓側はほとんど埋まってしまいます。
それよりも、航空会社のメンバーアカウントを取得して、できる限りはやく座席指定をするのがベター。
飛行機好きの座席の選び方
- 窓側座席
飛行機の醍醐味といえばやっぱり空からの景色。
なので、真っ先におすすめなのはやはり窓側の座席です。
どこまでも続く雲と空、富士山を上から見る景色や、地平線が見える海外の景色はテンションが上がりますよね。
また、マニアックな人の中には、
CAさんと対面席になる非常口席、飛行機のタラップなどの動きが見える主翼の後なども人気があります。
飛行機酔いする人の座席の選び方
- 真ん中座席
乗り物や揺れに極端に弱い人の場合は、例外的に中央がおすすめです。
左右の主翼の間でできるだけ真ん中の座席、真ん中の真ん中です。
というのも、飛行機のサイズは全長と全幅が5-60メートル、高さは17メートル程度と、かなりの大きさ。
時速800-900km/hで飛ぶ巨大な鉄の塊は、とんでもない風の抵抗で想像以上に「ひずみ」ます。
そのため、最前方、最後方、左右の端は揺れ幅が大きくなってしまいます。
飛行機酔いの原因は揺れによる三半規管の刺激です。
なので、揺れが最も少なくなる主翼の間+真ん中の座席が、飛行機酔いを防げる可能性が最も高くなります。
飛行機の座席の指定方法
飛行機の座席を指定する方法は大きく分けて4種類。
- チェックインカウンター – 搭乗日
- 自動チェックイン機 – 搭乗日
- 航空会社ホームページ – 予約後
- 航空会社アプリ – 予約後
航空会社ホームページやアプリを使えば、搭乗日よりも前に座席指定ができます。
そのため、やり方を知っている人がどんどん良い座席を事前に予約してしまいます。
結果的に、搭乗日当日にはほとんど良い席が残っていることがないので、
- 航空券を予約したら同時に座席指定
- 座席指定できるように利用する航空会社にメンバー登録をしておく
を忘れずにやっておきましょう。
チェックインカウンターで座席指定
飛行機の座席指定といわれてまず思い浮かぶのがコレではないでしょうか。
搭乗日当日に、チェックインカウンターで座席指定。
eチケットやメールなどの予約情報を持ってカウンターに行けば、チェックイン時に座席のリクエストができます。
自動チェックイン機で座席指定
自動チェックイン機はカウンターではなく、自分でチェックイン手続きをするための端末。
画面から簡単に操作ができるようになっています。
自動チェックイン機でチェックインする場合は、画面操作から飛行機のシートマップを見ながら自分で座席を指定できます。
航空会社ホームページで座席指定
航空会社ホームページで航空券を購入時、または購入後に座席を指定することができます。
当日チェックインで座席指定をする人達よりも早く座席指定ができるので、希望の席が取りやすいのがメリット。
航空会社のメンバーシッププログラムに登録する必要があります。
各社のマイレージプログラムが、コレにあたります。
航空会社アプリで座席指定
航空会社の多くがスマホアプリを提供しています。
航空会社のスマホアプリもホームページと同様に、座席指定ができます。
ホームページよりも操作がシンプルで操作しやすくなっています。
国内でよく利用するANAやJALだけでなく、多くの航空会社はホームページよりもアプリの方が操作性が良くなっているので、アプリの方がおすすめです。
登録は原則無料なので、利用する航空会社のマイレージプログラムに登録してアプリを入れておくとなにかと便利です。
お気に入りの座席を見つけて、できるかぎり早く予約する
飛行機の座席はスピード勝負。
旅行の日程が決まったら、
- できる限り早く予約する
- 予約したらすぐに座席指定
をしましょう。
最近の航空業界では、人気のある座席は有料になったり、上級会員のみに提供されるようになってきています。
たとえばANAでは、非常口席やバルクヘッド席、窓側などは、上級会員や高いチケットの人のためにあらかじめブロックされています。
そのため、一般会員で安いチケットだと狙った座席を指定できない事があります。
少しでも座席の選択肢を広げるためには、できるかぎり早く予約をして、座席指定するのがポイントです。