楽天カードは海外キャッシングができるカードです。
方法はカンタンで、旅行先の海外ATMに楽天カードをそのまま入れて、銀行やコンビニのATMで現金を引き出すように現地通貨をキャッシングできます。
とはいえ、海外キャッシングは「キャッシング」、つまり借金。
銀行でお金を引き出すのと同じ感覚で使ってしまうと、海外キャッシングで得をするどころか大損をしてしまうこともあります。
- 楽天カードの海外キャッシングの基本的な知識
- 楽天カードで海外キャッシングを利用するための準備
- 楽天カードの海外キャッシングのメリットやデメリット
- 楽天カード海外ATMの使い方
- 楽天カードでキャッシングしたお金の返済方法
旅行で海外キャッシングを利用する前に、ザックリと理解しておきましょう。
楽天カードの海外キャッシングの基本的な知識
楽天カードの海外キャッシングにかかる3つの手数料
まず、楽天カードで海外キャッシングを利用する際の海外キャッシング手数料は3つです。
- 為替レート手数料
- ATM利用手数料
- 金利手数料
1.為替レートの手数料
為替レートの手数料とは、市場の為替レートに両替手数料を加えたレート。
空港や両替所で表示されている為替レートは、「両替手数料を加えた為替レート」です。

なので、空港や両替所でパッと見ただけではよくわかりませんよね。
一方、海外キャッシングの為替レートはVISA、マスター、JCBのカードブランドごとに、キャッシング利用日の為替レートに合わせて変動します。
カードブランドの為替レートは通貨によって0.2-2%程度の手数料が加算されています。
とはいっても、両替所の為替レート(3-25%程度)に比べれば圧倒的に安いのがメリットです。
また、カードブランドごとに為替レートも異なります。
ドルやユーロといったメジャー通貨ではレートに大きな差はあまりありませんが、その他のマイナー通貨だとマスターカードが安定して良い為替レートで両替をすることができます。
実際のレートを見比べてみると、よく分かります。
為替レートTHB(タイバーツ)2/8 | レート | レート差(数) | レート差(%) | 10,000円の両替 |
---|---|---|---|---|
市場レート | 3.49 | – | – | – |
VISA | 3.53 | 0.04 | 1.28% | 128.25 |
master | 3.50 | 0.01 | 0.31% | 30.70 |
JCB | 3.52 | 0.03 | 1.00% | 99.56 |

2.ATM利用手数料
楽天カードで海外ATMを利用すると、ATM利用手数料がかかります。
ATM利用手数料は、海外のATMを利用する時に支払う必要がある手数料です。
日本でもコンビニや口座がある銀行以外のATMを利用すると支払う必要がある、ATMの利用手数料がありますよね。
海外キャッシングでも同様に、お金を引き出す度にATM利用料が加算されます。
1万円以下 | 1万円以上 | |
---|---|---|
ATM利用手数料 | 108円(税込み) | 216円(税込み) |
一見、あまり気にならないように感じてしまうんですが積み重なると結構な金額になってしまいます。
旅行先ではあまり大金を持ち歩きたくないので、必要な時に少額を何度もキャッシングして引き出す方が安全。
ATMは一般的な旅行先であれば世界中どこの国に行っても街中ではそこら中にあります。
大金を持ち歩かないように、こまめに海外キャッシングを利用するなら、ATM利用手数料がゼロになる「ACマスターカード」「セディナカード」いずれかのカードを利用するのがおすすめです。
ACマスターカード
セディナカード
金利手数料
楽天カードの海外キャッシング金利手数料は18%です。
金利は利用日から支払日までが日割りで計算されます。
楽天カードの場合、月末の「締め日」を経て、翌月の27日が支払日なので最長で60日近くになり、「2.86%」の金利を支払う必要があります。
それに対して「繰り上げ返済」をすることで、金利を「0.3%」に抑えることができます。

楽天カードは残念ながら繰り上げ返済までに日数がかかるカードです。
というのも、楽天カードで繰り上げ返済をするには
- 「サポートに電話」
- 「銀行振り込み」
と、2つのステップが必要だからです。
3%もの金利を支払うのであれば通貨によっては両替所の手数料よりも高くなってしまう事さえあります。
ムダな金利を抑えるためには1日でも早く繰り上げ返済ができるカードが有利になります。
利用できる海外ATMは世界中どこにでもある
海外旅行先では、楽天銀行のATMが設置されているわけではなく、提携のATMから海外キャッシングを行います。
たとえば、日本のコンビニであれば提携銀行のロゴがズラッと一覧表示されいます。

海外ATMにも楽天カードが使えるかどうかを判断できるロゴマークが表示されています。

利用できるATMはカードブランドごとに異なりますが、ほとんどの海外ATMでこれらのロゴを見つけることができるので心配は要りません。

現金が欲しいときにATMが見つけられなかったらどうしようと考えてしまいますが、心配は要りません。
主要な観光地であれば、ATMを探すのに困る事はありません。
- 空港
- 駅
- 銀行
- コンビニ
- ショッピングモール
と、どこにでも海外キャッシングができるATMを見つける事ができます。
念のため、海外旅行先では、持っているカードブランドに合わせて、各公式サイトのホームページにあるATM検索をブックマークしておくと安心です。
楽天銀行利用者なら振込手数料が安いor無料
繰り上げ返済をする場合は楽天カードの繰り上げ返済受付は「楽天銀行」になります。
ですので、楽天銀行利用者であれは同行間の振込手数料は無料なので、手数料を安く済ませることができます。

楽天銀行以外の銀行からは、振込手数料がかかります。
楽天カード利用者なら、そのまま使える
楽天カードは、海外でそのまま海外キャシングを利用する事ができます。
カード会社によっては三井住友VISAカードのように事前申請が必要な場合もあるので、注意が必要なのですが、楽天カードの場合は問題ありません。
海外キャッシングを使うために必要なのは、
- 楽天カード
- カードに設定した4桁の暗証番号
の2つがあればOKです。
楽天カードで海外キャッシングを利用するための準備
楽天カードを持って行くだけでは海外キャシングを使う事ができない場合があります。
海外ATMでキャッシングを何度も失敗すると、最悪の場合カードがATMに取り込まれてしまう場合があります。
当てにしていた海外キャッシングが利用できないと、かなり困った状況になってしまいます。
必要な準備だけは必ず済ませておきましょう。
キャッシング利用枠を確認する
クレジットカード海外キャッシングを利用する場合は、カードの「キャッシング枠」が必要です。
キャッシング枠とは現金を借りるための枠で、レストランやお店で買い物をする「ショッピング枠」と分けて設定されています。

たとえカードが使えていても、キャッシング枠が無いと海外キャッシングを利用する事ができないので注意が必要です。
楽天カードの会員サイト(e-NAVI)にログイン後、「お支払い(ご利用明細)」-「ご利用可能枠の照会」から確認することができます。

暗証番号を確認する
海外ATMでキャッシングをする際には、カードに紐付いた暗証番号の入力が必要です。
普段あまり使う事がないので忘れてしまっていたりする場合も多いので、事前に確認しておく必要があります。
確認方法は、楽天カードの会員サイト(e-NAVI)にログイン後、「お客様情報の照会・変更」-「カード暗証番号の照会」から確認手続きを進めます。

楽天カード海外ATMの使い方
楽天カードで海外キャッシングをする際には、
- カードを入れる
- 言語選択をする
- 暗証番号を入力する
- 取引を選択 – Cash Withdrawal(引き出し)
- 口座を選択 – Credit Card(クレジットカード)
- 金額を選択 – (選択、もしくは希望額を入力)
- 現金とカード、明細を受け取る
という流れになります。
文字で書くとシンプルなのですが、実際のATMは少しずつ選択肢が変わったりするので混乱してしまいます。
とはいってもどのATMもカードを入れて暗証番号を入れて取引を選択して金額を選択するという、基本的な流れは同じです。
ですので、ザックリと流れだけを把握しておいて、ATMを使いながら慣れるのが混乱せずに海外ATMを使えると思います。
※動画はセディナカードで解説していますが、海外ATMの操作方法は同じです。
カード会社が教えてくれない海外ATMの罠
楽天カードに限らず、海外キャッシングで最も注意しなければならないのが「海外ATMによる両替」です。
海外キャッシングの最大のメリットは、為替レートが安いことで手数料を安くできる事です。
その理由は、VISAやマスター、JCBといったカードブランド提示する為替レートで両替ができるからです。
ところが、最近では海外ATMが両替を促す画面を表示するようになっています。

ここで「YES」(はい、表示のレートで両替をします)を選択してしまうと、良いレートのカードブランドの為替レートではなく悪いレートのATMの会社の為替レートで両替をしてしまいます。
動画のATMはタイの「アユタヤ銀行」のATMですが、タイバーツ/日本円の支払額が21,495円なので為替レートは実質「3.5825」。
2018-8-31-THBJPY | 市場レート | アユタヤ銀行 | マスターカード |
---|---|---|---|
為替レート | 3.3872 | 3.5825 | 3.3936 |
支払額 | ¥20,323 | ¥21,495 | ¥20,362 |
手数料(%) | – | 5.77% | 0.19% |
マスターカードの為替レートと比べると、1,000円以上(5.58%)も違います。
これはあくまでアユタヤ銀行の為替レートで、さらに不利なレートを提示されることもありますので注意が必要です。
ポイントとしては、引き出す金額を確認した後に「レートを表示する画面が出てきたら、NOを選択する」と覚えておきましょう。
- 「conversion」(変換=両替)
- 「exchange rate」(両替レート)
- 「conversion rate」(両替レート)
が出てきたら、「NO」、もしくは「without(省いて)」を選択、です。
楽天カードでキャッシングしたお金の返済方法
楽天カードで海外キャッシングしたお金は、カードの請求と同じように指定の銀行から指定の日(27日)に引き落としが行われます。
ただし、海外キャッシングは原則として支払日まで待たずに返済をしてしまいましょう。
なぜなら、海外キャッシングの手数料の一つである「金利」は、日割り計算で加算されてしまうからです。
なぜ繰り上げ返済が必要なのか?
支払日まで待つと最長で60日近くキャッシングすることになるので、支払い金利が3%近くになってしまうことがあります。
一方、帰国後に繰り上げ返済をすれば5-7日程度で返済することができるので、0.25%-0.35%程度の金利で済みます。
5日 | 60日 | |
---|---|---|
¥100,000 | ¥247 | ¥2,959 |
¥50,000 | ¥123 | ¥1,479 |
ザックリいえば、10万円をキャッシングした場合、繰り上げ返済をすれば100-200円の金利で済みます。
ところが、通常通りの締め日→支払日サイクルで支払いをすると千円以上の金利がかかります。
ですので、海外キャッシングは必ず繰り上げ返済を利用して支払いをするようにしましょう。
海外キャッシングのリボ払いも可能
そもそも2017年の11月1日まで、楽天カードでは海外キャッシングの支払いが自動的にリボ払いになる極悪仕様でした。(※現在は一括払いになる)

海外キャッシングの利用分をリボ払いに変更することは可能ですが、よほどの理由が無い限りオススメしません。(※e-NAVIより変更可能)
カンタンに言ってしまえば消費者金融と同じ仕組みなので超高額の金利を支払うことになってしまうのが理由です。
さらに海外海外キャッシング手数料を安くする方法
楽天カードの海外キャッシングを使えば、両替所で両替をするよりも有利なレートで現地通貨を手に入れる事ができます。
ところが、実はさらに安く現地通貨を手に入れられる「一段上の海外キャッシング」が存在します。
それが、ACマスターカードとセディナカードです。
海外キャッシングには3つの手数料があると解説をしました。
- 為替レート手数料
- 海外ATM利用手数料
- 金利手数料
この全ての手数料で、セディナカードは楽天カードよりも安い手数料で現地通貨を手に入れる事ができます。
楽天カードとACマスターカード、セディナカードの海外キャッシング比較
2019/2/2 | 楽天カード(VISA) | ACマスターカード | セディナカード(マスター) |
---|---|---|---|
為替レート(MYR26.71) | 26.83 | 26.77 | 26.77 |
MRY1,000両替 | ¥26,834 | ¥26,768 | ¥26,768 |
ATM利用手数料 | ¥216 | 0 | 0 |
キャッシング日数 | 5-6日 | 1-3日 | 3-4日 |
金利手数料 | ¥79 | ¥13 | ¥53 |
合計 | ¥27,129 | ¥26,781 | ¥26,821 |
(※2019年2/2日の実レートでの比較)
為替レート手数料の違い
日によってレートが違うので一概には言えませんが、概ねマスターカードの方が良いレートになります。
主要通貨であるドルやユーロは比較的差が少ないですが、マイナー通貨に関しては差が大きくなる傾向があります。
ATM利用手数料の違い
コレが一番大きな違いになります。
比較表では見ることができませんが、楽天カードではATMを利用する度に216円(1万円以上の利用)がかかります。
旅行中に何度も小分けにしてATMを利用する場合にはATM利用料が大きくなります。
ACマスターカードとセディナカードはATM利用手数料がかかりません。
現金を小分けにして持ち歩くことができるので比較的治安が悪い場所に行く場合には重宝します。
金利手数料の違い
楽天カードは繰り上げ返済をすることで5-7日の日割り金利で手数料を抑えることができます。
ACマスターカードとセディナカードでは海外キャッシングの利用履歴がデータセンターに送られ、1-3日後にはWEBから請求額を確認することができます。
楽天カードで繰り上げ返済をするには、電話での依頼後に銀行振り込みをするしかありません。
ACマスターカードとセディナカードはPay-easy(即時振込決済サービス)を利用する事でWEBサイトで請求額を確認したその場で支払いを済ませることができます。
つまり、最速で1日。遅くとも4日程度で海外キャッシングの支払いができるので楽天カードよりも金利手数料を安く済ませることができます。
楽天カードでのキャッシングが向いている人
楽天カードでのキャッシングが向いている人は、数千円程度の手数料はあまり気にならず、面倒な事は避けたい人。
また、楽天カードをメインで使っていて楽天銀行をメインバンクとして使っている人です。
楽天カードは両替所で両替するよりは安く現地通貨を手に入れる事ができるので、海外キャッシングに利用する事ができます。
また、繰り上げ返済には楽天銀行への振込になるので同行振込手数料が無料の楽天銀行を利用しているなら問題はありません。
ACマスターカードとセディナカードが向いている人
セディナカードでのキャッシングが向いている人は、少しでもキャッシング手数料を安く済ませたい人。
多めに両替する人や、海外旅行に行く頻度が多い人も手数料が積み重なってくるのでこれらのカードがおすすめ。
また、旅行先であまり現金を持ち歩きたくない人や治安が気になる人も、小分けでATMから出金ができるセディナカードが安心です。
海外キャッシングではカードを紛失したりカードが使えなくなる事がしばしば起こります。
海外キャッシングが出来るカードが1枚しか無いと大トラブルになるので、バックアップカードとして持っておくと安心です。