クレジットカードには海外旅行保険が付帯するカードがあります。
はたして旅行保険はクレジットカードだけで十分なのでしょうか?
そもそも、海外旅行保険のへの加入は強制ではありませんが海外での高額な医療費や日本語が通じないトラブルに巻き込まれた事を考えると保険なしでの旅行はかなりキケン。
海外旅行保険が付帯しているカードは、ゴールドカードやプラチナカードだけでなく、年会費が無料でも海外旅行保険が付帯するクレジットカードがあります。
一方、海外旅行保険にはクレジットカード以外にも、空港やネットで加入する保険会社の海外旅行保険があります。
これらの海外旅行保険にはどのような違いがあり、どう選べば良いかを解説します。
クレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険と、空港やネットで加入する海外旅行保険違いとは?
海外旅行保険がクレジットカードで十分かどうかを判断する前に、まずはそれぞれの保険の違いを知っておきましょう。
あまり知られていないことなのですが、
- クレジットカードに付帯する海外旅行保険
- 空港やネットで加入する海外旅行保険
この2つは、中身は全く同じ保険です。
まず、クレジットカードに付帯する海外旅行保険は、クレジットカード会社が保険業務を行っているわけはありません。
「引受保険会社」といって大手の保険会社に業務提携/委託をしています。
たとえば、楽天カードに付帯する海外旅行保険は、楽天カード株式会社が保険業務を行っているのではありません。
海外旅行保険の引受保険会社である三井住友海上株式会社が保険業務を行っています。
また、三井住友海上株式会社は保険会社であり、空港やネット、旅行代理店を通じて自社でも海外旅行保険を販売しています。
クレジットカードに付帯する海外旅行保険も保険会社が販売する旅行保険も、内容が少し違うだけで中身は同じ海外旅行保険なんです。
クレジットカードと保険会社、海外旅行保険の違いは、期間と内容、金額
クレジットカードと保険会社の海外旅行保険の違いは大きく分けて3つ。
- 保険期間 – 保険が適用される期間
- 保険内容 – 保険が適用される状況と範囲
- 補償金額 – 保険での補償金額
3つの違いを知らないと、どの保険を選んで良いかが分かりません。
その結果、空港やネットで加入する高額な保険会社の旅行保険に加入するしかなくなってしまいます。
この3つの違いだけ分かっていれば、ほとんどの旅行でクレジットカードの海外旅行保険「だけ」で海外旅行に出かけられるようになります。
僕自身は年間5–60日は旅行に出かけていますが、海外旅行保険はクレジットカードしか使っていません。
もちろん、クレジットカードの海外保険も空港やネットの旅行保険も同じものなので、万一のことがあっても、保険会社の旅行保険と同様の保険サービスと補償を受けることができます。
保険期間とか補償といわれると、専門用語っぽくて分かりづらく感じるかも知れませんが、ひとつずつ順番に分かりやすく説明していきます。
1. 保険期間 – 保険が適用される期間
保険期間とは、保険が有効な期間です。
海外旅行保険は生命保険などと違って、365日24時間何が起こっても大丈夫といった保険では無く、あくまで旅行中のトラブルを補償するための保険。
ですので、旅行の日程として指定した期間で起こったトラブルに対して有効となります。
空港やネットで加入する保険会社の海外旅行保険では、保険期間を自分で設定することができます。
ですので、たとえば2泊3日の台湾旅行であれば、出発日から帰国日までの3日間を保険期間として指定します。
一方、クレジットカードの海外旅行保険では、海外旅行に出かけた時点で自動的に適用されます。(※利用付帯の場合には決済が必要)
ただし、保険期間の上限が90日と決められています。
保険期間 | 期間上限 | |
---|---|---|
空港・ネット | 自分で指定 | なし |
クレジットカード | 自動適用(※自動付帯) | 90日 |
2. 保険内容 – 保険が適用される状況と範囲
保険内容とは、保険が適用される状況と範囲です。
海外旅行保険は、個別の保険の集合体でセット保険のようなもの。
ですので、海外旅行保険によって付いている保険とついていない保険があったりします。
たとえば、保険会社の海外旅行保険には付いているけどクレジットカードの海外旅行保険には付いていない保険などもあります。
また、クレジットカードの旅行保険の中でも「飛行機が遅れた際の補償」などは付いているカードや付いていないカードがあったりします。
空港やネットで加入する保険会社の海外旅行保険では、保険内容を自分で選択することができます。
ですので、どうしても必要な保険がある時にはオプションとして別途選択することができるのがメリットです。
クレジットカードの海外旅行保険では、自分で保険内容を選択することはできません。
クレジットカード会社があらかじめ設定した「セット保険」が適用されます。
ですので、自分の用途に合った海外旅行保険が付帯しているクレジットカードを探す必要があります。
保険内容 | |
---|---|
空港・ネット | 自分で選択可能 |
クレジットカード | セット保険 |
3. 補償金額 – 保険での補償金額
補償金額とは、保険で支払われる補償金額の上限金額です。
各保険内容には、1事故に対しての補償金額の上限が定められていています。
海外旅行保険によって補償金額が違うので注意が必要です。
空港やネットで加入する海外旅行保険の方が高い金額を設定されている事が多く、クレジットカードの海外旅行保険では保険として不足する場合多いのが事実です。
とはいえ、クレジットカードの海外旅行保険の補償金額は、複数のカードを併用することとで補償金額を上乗せすることができるので問題はありません。
カードを併用して補償金額を上乗せする方法については、順番に話していきますので安心してください。
クレジットカードに付帯する海外旅行保険はあくまで付帯サービスとしての位置づけ。
クレジットカード会社からすると、海外旅行保険が付帯しているといったカードの「見栄え」が良くなればOKといったカードも少なくありません。
ですので、補償内容と補償金額をしっかりと確認した上で、クレジットカードの海外旅行保険を使う必要があります。
補償金額 | 上限金額 | |
---|---|---|
空港・ネット | 総じて高い | 自由に変更可能 |
クレジットカード | 低い | 複数のカードで上乗せ可能 |
クレジットカード付帯の海外旅行保険と空港やネットで加入する海外旅行保険の内容比較表
空港・ネット | クレジットカード | |
---|---|---|
費用 | 有料 | 無料(年会費のみ) |
保険期間 | 自分で指定 | 自動適用(※自動付帯) |
保険期間の上限 | なし | 最高90日まで |
保険内容 | 自分で選択可能 | セット保険 |
補償金額 | 総じて高い | 低い |
上限金額 | 自由に変更可能 | 複数のカードで上乗せ可能 |
クレジットカード付帯の海外旅行保険で十分な3つの理由
クレジットカード付帯の海外旅行保険と空港やネットで加入する海外旅行保険を横に並べて比較してみると、保険会社の海外旅行保険の方が安心な気がしてきます。
高額ではあるものの、空港やネットで加入する海外旅行保険は期間や保険内容、補償金額も多く、自由に設定できるのでなんとなく安心感がある感じがしませんか?
スマホや携帯をはじめて契約した時の事を思い出してもらいたいのですが、自分に必要な機能やプランがよく分からないので、店員さん任せでプランを選んで、いろんなオプションをたくさん契約してしまった経験があると思います。
もしかしたら、オプションを契約したことさえ知らないかもしれませんね。
僕も同じなのですが、いまだに使っていない機能やオプションが契約したままになっています。
なのですが、スマホや携帯を長く使っていくことで、必要な機能やオプションと、不必要な機能やオプションが分かってくると思います。
たとえば僕であれば、「動画見放題」だったり、「音楽聴き放題」のオプションは必要ありません。
はじめて海外旅行保険を選ぶときには、たくさんの保険がセットになっている海外旅行保険の中から、自分の旅行に合った保険内容や補償金額をバチッと一瞬で見極めることは難しいと思います。
旅行上級者の多くは、クレジットカードに付帯する海外旅行保険をうまく使いこなして海外旅行保険代を節約しています。
彼らがなぜ、クレジットカードに付帯する海外旅行保険だけで安全に旅行ができるのかについて、3つのポイントに分けて説明してきます。
1.クレジットカードの海外旅行保険は複数のカードを併用することで補償額を上乗せできる
アメリカやヨーロッパでは医療費や為替レートの関係で、現地で病院にかかった時の費用がものすごく高額になることがあります。
ですので、旅行先によっては、クレジットカードに付帯する海外旅行保険だけでは補償金額が不足してしまうことがあります。
そのため、保険の補償金額を補う方法として、クレジットカードを複数持つことで(併用)保険を上乗せ(重ね掛け)するという方法があります。
たとえば、
- エポスカード
- ANA VISAゴールドカード
の旅行保険が付帯する2枚のクレジットカードを持っていると、
エポスカード | ANAVISAゴールド | 適用される海外旅行保険 | |
---|---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 500万円 | 5,000万円 | 5,000万円 |
傷害治療費用 | 200万円 | 150万円 | 350万円 |
疾病治療費用 | 270万円 | 150万円 | 420万円 |
携行品損害 | 20万円 | 50万円 | 70万円 |
賠償責任 | 2,000万円 | 3,000万円 | 5,000万円 |
と、各カードに付帯してる保険内容の補償金額が合算されます。
ただし一つだけ例外があり、傷害死亡・後遺障害保険だけは合算されず、補償金額が高い方が適用されます。
2.旅行において重要な保険は付いているから問題ナシ
「空港やネットで加入する保険は全ての保険が含まれていて、クレジットカード付帯の海外旅行保険は付いていない保険がある」
と聞くと、不安に聞こえるかもしれません。
クレジットカードの海外旅行保険では、海外旅行において最低限必要な保険がちゃんとカバーされていますので安心してください。
海外旅行のトラブルで圧倒的に多いのは「ケガ」と「病気」。 それに次いで2番目に多いのが「持ち物の盗難や破損」。 そして、飛行機の「欠航や遅延」と続きます。
空港やネットで加入する旅行会社の海外旅行保険はたくさんの保険内容をカバーしています。
個々の補償金額が大きいので一見、手厚く見えますが、
- 傷害死亡 – 旅行中にケガで死ぬ事はまずない
- 傷害後遺障害 – 旅行中に後遺症が残るほどケガはまずしない
- 疾病死亡 – 旅行中にたまたま病気で死ぬことはまずありません
- 緊急歯科治療 – 旅行前に歯医者に行っておきましょう
などなど、不必要と思える保険がたくさん付いている結果、保険料が高額になっています。
一方、クレジットカードの海外旅行保険には、海外旅行のトラブルで多い保険がちゃんと付いています。
ケガと病気の保険が、「傷害・疾病治療費用保険」、 持ち物の盗難や紛失、故障のための保険が「携行品損害保険」、 法的な責任を問われたときのための保険が「損害賠償責任保険」、 となります。
海外旅行保険が付帯するほとんどのクレジットカードはこの4つの保険内容をカバーしているので心配ありません。
とはいえ、問題は補償金額が少ないことになります。
そのため、複数のカードを併用して持つことで補償金額を上乗せして補っています。
ですので、クレジットカードを持っているだけで海外旅行に行く度に空港やネットで海外旅行保険に入らなくても保険が適用されます。
(※個人的には飛行機の遅延やキャンセル、手荷物の紛失のための保険も欲しいのでセゾンゴールド・アメックスを持つことでカバーしています)
3.保険の中身は同じだから大丈夫
保険内容が省かれていたり、補償金額が少ないと漠然と不安になってしまうと思います。
年間の海外外旅行の回数が増えていき、クレジットカード「のみ」で海外旅行保険をまかなうようになった最初の頃は僕も同じような事を感じていたので良く理解できます。
クレジットカードの海外旅行保険を調べていけばいくほどよくわるのですが、クレジットカードの海外旅行保険の手引きやガイドには必ず引受会社といって、保険を扱っている会社が記載されています。
この保険会社は、空港やネットで保険を販売している会社と同じ会社です。
ものすごく雑に言ってしまえば、中身が同じなら少しでも安く使える方が良いと思います。
ブランド物を銀座の直営店で買うよりもネットで買う方が安いのと似ているのですが、商品が同じなら安く買う方がお得です。
どうせ同じ保険なら、わざわざ旅行に行くたびに費用と手間をかけて海外旅行保険に入る必要はありません。
クレジットカードを持っているだけで自動的に海外旅行保険が使える方が、はるかに安くて便利です。
クレジットカード付帯の海外旅行保険のしくみ
ではなぜ、クレジットカード会社は、そもそも有料である海外旅行保険をクレジットカードに付帯させることができているのでしょうか?
そもそも有料である海外旅行保険が、無料のクレジットカードに付帯しているなんて少しあやしい感じがしてしまうと思います。
でも、コレにはちゃんとしたカラクリがあります。
クレジットカードに付帯している旅行保険のしくみがちゃんと理解できると、わざわざ空港やネットでお金を払ってまで旅行保険に加入するのがもったいなくなると思います。
中身はどちらも同じ海外旅行保険
まず大前提として、クレジットカードの海外旅行保険も空港やネットで加入する旅行保険も同じ保険です。
クレジットカードに付帯する海外旅行保険のほとんどは、
が引受会社となっています。
ですので、クレジットカードに付帯する海外旅行保険は、これらの会社が販売している海外旅行保険と同じものになります。
クレジットカード会社の目的は、カード利用者を増やすこと
クレジットカードを発行している会社の目的は、クレジットカードをたくさん発行することです。
クレジットカードを使って決済をするとカード会社には数%の手数料が入るからです。
ですので、カード会社はできる限りたくさんの人に使ってもらいたいと考えています。
とはいえ、クレジットカードは何百種類もあるので、自社のクレジットカードを選んでもらうのはタイヘン。
そこで、
- ポイントが貯まる
- マイルが貯まる
- ETC
- 家族カード
- 電子マネー
- ステータス
- ブランドとの提携
- キャラクター
といった「付加価値」をたくさんくっつけて、できる限りカードを魅力的に見せようとしています。
そうして、カード少しでも多くの人に、少しでもたくさんつかってもらう必要があるんです。
海外旅行保険が付帯する目的はカードを魅力的に見せること
海外旅行保険もカードを魅力的に見せるための「付加価値」の一つです。
本来であれば有料の商品である「海外旅行保険」が付いていれば、クレジットカードが魅力的に見えます。
カードに付帯するサービスをより充実させて、より使いやすくすることで会員を増やすのがクレジットカード会社の目的です。
利用者が増えればカード会社は儲かる
つまり、クレジットカード会社はカード会員を増やすことが全て。
カード会員を増やして、カードを使ってもらわないことには売上げが作れないので、会社が潰れてしまいます。
だから、費用を使ってでもクレジットカード会員を増やすことに全力を傾ける必要があるんです。
カード会社は数千万人の会員がいるから、個人で保険契約するよりも安く契約できる
クレジットカード会社は僕たちが想像しているよりもたくさんの会員を抱えています。
その数は数千万人単位の数になります。
ですので、僕たちが個人で海外旅行保険に加入するよりもはるかに安い金額で保険会社と交渉をすることができます。
たとえば、H.I.S(エイチ・アイ・エス)やJTBといった旅行代理店でも数十件の旅行保険契約で団体割引を受けることができます。
そう考えると、数千万人単位の契約であれば、とんでもなく安く旅行保険を使う事ができるはずです。
仮に100万人の旅行保険契約だとすれば、保険会社としては一人あたりの保険契約を500円としても5億円の売上。
1000万人なら50億円です。
正確な人数や旅行保険の割引率は分かりませんが、僕たちが個人で海外旅行保険に加入するよりもはるかに安い金額で海外旅行保険を契約できていることは間違いありません。
よく、ソフトバンクなどのスマホキャリアが吉野屋の牛丼やミスドのドーナツを無料で配っていますよね。
僕たち消費者からすれば、380円の吉野屋の牛丼や100円のミスタードーナツですが、数千万人の会員を抱えるソフトバンクでは定価よりもはるかに安い価格で吉野屋やミスタードーナツと提携してるはずです。
保険会社も利用者が増えるから安くできる
保険会社の目的はお客さんに保険を販売すること。
海外旅行保険を扱う保険会社としても、海外旅行保険を販売するのは容易ではありません。
ライバル会社は何社もいますので、莫大な広告宣伝費がかかります。
代理店経由で旅行保険を販売するのであれば手数料もかかりますし、割引が必要になることもあります。
クレジットカードに海外旅行保険を付帯させるということは、数千万人単位の顧客を抱えるクレジットカード会社がまとめて海外旅行保険を買ってくれるようなもの。
保険会社にしてみれば、保険料を割引してでもお客さんが欲しいと考えますよね。
双方にメリットがあるから、カードのサービスにできる
クレジットカード会社は、できる限り低コストで海外旅行保険を付帯させて、その結果クレジットカードが魅力的にみえる。
保険会社は、保険の項目と補償金額を落として海外旅行保険を提供、その結果、大量の顧客を一括契約できる。
といった、双方のメリットを両立させているのがクレジットカードに付帯する海外旅行保険なんです。
基本的には同じ保険なので、安心して使える
私たちが知っておくべき事は、どちらも同じ保険であって、全く問題なく安心して使う事ができるということ。
ただし、クレジットカードに付帯する旅行保険はそもそも「見栄え」のために用意されている付帯サービスなので、保険内容や補償金額が不足することがある。
だから、状況や旅行先によっては複数のカードを持つことで保険内容や補償金額を上乗せして、上手に使う必要がある。
そうすることで、空港やネットで加入するよりもはるかにお得に海外旅行保険を使う事ができるということです。
海外旅行保険付きクレジットカードの選び方
クレジットカードに付帯している海外旅行保険の方がコスパとメリットが高く、安心して使える理由がちゃんと理解してもらえたと思います。
同時に、クレジットカードに付帯する海外旅行保険はそもそも「見栄え」のためのサービスだということも理解してもらえたと思います。
ですので、海外旅行保険が付帯してるカードであっても、望む保険が付いていなかったり、補償金額がものすごく少ないことがあります。
このような理由から、クレジットカードに付帯する海外旅行保険はものすごくたくさんあるのですが、残念ながら本当に使えるクレジットカードは数える程度しかありません。
ですので、ここでは海外旅行保険として使えるクレジットカードをどのように選べば良いのかを説明していきます。
使えるカードを見極める3つのポイント
海外旅行保険として使えるクレジットカードを見極めるために確認するのは3つのポイントです。
- 保険内容 – どんな保険が適用されるか
- 補償金額 – いくら補償されるか
- 付帯条件 – どうすれば海外旅行保険が有効になるか
「保険内容」と「補償金額」についてはここまでで説明をしてきました。
「保険内容」とは、旅行中のケガを保険の適用範囲とする「傷害治療費用」や病気を保険の適用範囲とする「疾病治療費用」などの項目をといいます。
そして、「補償金額」とは、これらの保険についていくらまで補償されるかの金額を表します。
クレジットカードに付帯する海外旅行保険にのみ存在していて、最も重要なポイントになるのが、「付帯条件」です。
付帯条件とは、どうすれば海外旅行保険が有効になるのかの条件です。
言い換えれば、保険を有効にするために条件があるので、旅行保険が付帯するクレジットカードを持っていても保険が適用されない場合があるということになります。
結論から言うと、クレジットカードの海外旅行保険には
- 自動付帯
- 利用付帯
の2種類の付帯条件ががあります。
自動付帯とは、「自動」で「付帯」するという意味。
旅行時にクレジットカードを持っているだけで海外旅行保険が有効になる条件のカードです。
何も考えなくても良い便利な海外旅行保険カードで、私たちが持つべきカードが自動付帯のカードです。
もう一つの「利用付帯」がかなり危険です。
利用付帯とは、「利用」しないと「付帯」しないカード。
旅行代金や旅行に関する費用をクレジットカードで決済することで海外旅行保険が有効になる条件のカードです。
逆に言えば、ただ持っているだけでは海外旅行保険として使う事ができないカードになります。
また、旅行代金や旅行に関する費用をクレジットカードで決済するという条件も良いケースやダメなケースがあってかなり複雑です。
私たちが避けるべきカードが「利用付帯」の付帯条件の海外旅行保険付きクレジットカードになります。
海外旅行保険が付帯するクレジットカードに慣れてくると、利用付帯のカードを使う事もできるようになるのですが、はじめのうちは利用付帯のクレジットカードをできる限り避けるようにすることをオススメします。
1. 必要な補償金額を知る
クレジットカードの海外旅行保険を利用するためには、保険内容と補償金額を知る必要があります。
海外旅行保険で用意しておきたい保険内容は、海外でのトラブルデータに基づいて、
- ケガ – 傷害治療費用
- 病気 – 疾病治療費用
- 持ち物 – 携行品損害
- 損害賠償 – 損害賠償責任
となります。
ほとんどの海外旅行保険付きクレジットカードはこれらの保険内容が入っていますので、問題はありません。
次に、最低限確保しておきたい補償金額は国別(エリア別)で変わってきます。
ですので、旅行先に合わせて確認をします。
個人的には、
傷害/疾病治療費用 | 携行品損害 | 賠償責任 | |
---|---|---|---|
アジア | 300万円 | 30万円 | 2000万円 |
ヨーロッパ | 500万円 | 50万円 | 3000万円 |
アメリカ | 500万円 | 30万円 | 5000万円 |
を目安としています。
根拠としては、保険会社であるジェイアイ傷害火災株式会社によって海外旅行保険似関する以下のようなデータが提供されています。
契約者数 | 100万人以上 |
---|---|
保険支払件数 | 34,000件 |
治療・救護費用保険支払いが300万円以上 | 70件 |
シニア層以外(64歳以下) | 40件 |
まず、保険の支払件数が100万人に対して34,000件程度であり、これは約29人に1人が何かしらの事故に遭っている計算になります。
このうち、300万円以上のいわゆる高額医療費用事故といわれる支払いが必要になった事故は70件です。
とはいえ、70件のうち、43%がシニア層(64歳以上)です。
ですので、残りの30件が私たちに該当する可能性があると考えられます。
つまり、契約者数を100万人とすると、そのうちの30件。
すなわち、33,330人に1人が300万円以上の治療費を必要とする高額医療費を必要とする事故に遭う可能性があると考えられます。
さらにいくつかの保険会社の高額医療費用事故の事例を見ていくと、医療費用が500万円を超えるような事例は脳や心臓に関する急病で、いわゆる重傷の類い。
300万円から500万円の医療費は骨折や盲腸などアクシデントによる手術や入院が多く見られます。
こういったことから、1−2週間程度の旅行で危険を伴うアクティビティーをしないのであれば3–500万円程度の傷害・疾病費用保険を用意しておけばほとんどの病気やケガに対応できると考えています。
家族にも海外旅行保険が必要か
クレジットカードに付帯する海外旅行保険を使って、本人と同じように家族にも海外旅行保険を付帯させることができます。
家族での海外旅行の場合、家族全員が海外旅行保険に加入する必要があるため保険料がかなり高額になってしまいます。
そのため、家族特約が付帯する海外旅行保険付きクレジットカードをうまく組み合わせる事でかなりの節約をすることができます。
カードによっては、
- 配偶者
- 子供
- 親
が家族の範囲として適用されるカードもありますので、旅行先や滞在日数によっては数万円の節約にもなることもあります。
家族にも海外旅行保険が適用されるクレジットカードを探すには、家族特約というサービスを持つ海外旅行保険付きクレジットカードを探す必要があります。
また、家族特約が付いてても配偶者が適用外だったり、子供が適用外だったりと複雑な条件があるので注意が必要です。
家族用の海外旅行保険付きクレジットカードを探すには、以下のポイントを順番にチェックしていきます。
- 家族特約が付いている
- 家族の範囲を確認する(配偶者・子供、または親)
- 補償金額を確認する
家族にも適用される補償金額をチェックして、本人の海外旅行保険と同じように「保険内容」に対して「補償金額」が十分になるまでクレジットカードを上乗せしていきます。
2. カードを組み合わせて補償金額以上にする
- 保険内容 – どんな保険が適用されるか
- 補償金額 – いくら補償されるか
- 付帯条件 – どうすれば海外旅行保険が有効になるか
のポイントが分かったら、次は希望の補償金額以上になるように、旅行保険付きクレジットカードを組み合わせていきます。
僕自身が目安としている補償金額は、
傷害/疾病治療費用 | 携行品損害 | 賠償責任 | |
---|---|---|---|
アジア | 300万円 | 30万円 | 2000万円 |
ヨーロッパ | 500万円 | 50万円 | 3000万円 |
アメリカ | 500万円 | 30万円 | 5000万円 |
となりますが、金額が増減しても問題はありません。
あなた自身が安心だと思える金額を目標とすればOKです。
ポイントは、
- ケガ・病気になったとき – 傷害/疾病治療費用
- 持ち物が盗難・紛失・故障したとき – 携行品損害
- 法的責任を負わされたとき – 損害賠償責任
に、ちゃんとサポートと十分な補償が受けられるかどうかです。
海外旅行保険が付帯しているクレジットカードを比較
では、海外旅行保険が付帯しているクレジットカードを比較していきます。
個人的なスタンスとしては、できる限りカンタンに難しい事をしないで、お得かつ安全に海外旅行保険が使えれば良いと思っています。
ここで紹介するクレジットカードは海外旅行保険が付帯するクレジットカードをはじめて使う人のための一覧です。
クレジットカードの世界はとても複雑で、細かく突き詰めようとするとさらに得することもできるのですが、手順がとても複雑になります。
ここでは単純に
- 持っているだけで保険が有効になる(自動付帯)
- 年会費が無料(または簡単な作業で無料になる)
- 補償額を足し算するだけでOK
という基準でカードを紹介しています。
ですので、手っ取り早くクレジットカードで旅行保険を手に入れたい場合に参考にしてください。
年会費無料(相当)でおすすめの海外旅行保険が付帯のクレジットカード
カード名 | 年会費 | 付帯条件 | 家族特約 | 傷害死亡 | 傷害治療費用 | 疾病治療費用 | 損害賠償責任 | 携行品損害 | 救護者費用 | キャッシュレス診療 | 引受保険会社 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
エポスカード | 0 | 自動付帯 | なし | 270万円 | 200万円 | 2,000万円 | 20万円 | 100万円 | あり | 三井住友海上 | |
セゾンブルー・アメックスカード | 3000(初年度無料) | 自動付帯 | なし | 5,000万円 | 300万円 | 300万円 | 3,000万円 | 30万円 | 200万円 | あり | 損保ジャパン日本興亜 |
Booking.comカード | 0 | 自動付帯 | なし | 300万円 | 100万円 | 100万円 | 2,500万円 | 20万円 | 150万円 | あり | 三井住友海上 |
ミライノゴールドカード | 3000 | 自動付帯 | あり | 5,000万円 | 500万円 | 500万円 | 5,000万円 | 50万円 | 300万円 | あり | 三井住友海上 |
横浜インビテーションカード | 0 | 自動付帯 | なし | 2,000万円 | 200万円 | 200万円 | 2,000万円 | 20万円 | 200万円 | あり | 三井住友海上 |
REX | 0 | 自動付帯 | なし | 2,000万円 | 200万円 | 200万円 | 2,000万円 | 20万円 | 200万円 | あり | 三井住友海上 |
JCB EIT | 0 | 自動付帯 | なし | 2,000万円 | 100万円 | 100万円 | 2,000万円 | 20万円 | 100万円 | あり | 損保ジャパン日本興亜 |
龍馬カード | 0(年一利用) | 自動付帯 | なし | 2,000万円 | 200万円 | 200万円 | 2,000万円 | 20万円 | 200万円 | あり | あいおいニッセイ同和損保 |
LiSAカード | 0(年一利用) | 自動付帯 | なし | 2,000万円 | 200万円 | 200万円 | 2,000万円 | 20万円 | 200万円 | あり | あいおいニッセイ同和損保 |
ソードアート・オンラインカード | 0(年一利用) | 自動付帯 | なし | 2,000万円 | 200万円 | 200万円 | 2,000万円 | 20万円 | 200万円 | あり | あいおいニッセイ同和損保 |
三井住友VISAクラシックカードA | 1500(リボでゼロ) | 自動付帯 | なし | 300万円 | 100万円 | 100万円 | 2,500万円 | 20万円 | 150万円 | あり | 三井住友海上 |
はじめての海外旅行保険付きクレジットカードならコレ!
- エポスカード
- Booking.comカード
2枚のカードを持っているだけで300万円以上の傷害/疾病治療補償を確保できます。 台湾、香港、韓国、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシアといったアジア圏であればこの組み合わせで十分でしょう。
キャッシュレシュ診療もOKなので、旅行先の病院での支払いも一切ナシでOK。 どちらのカードも比較的審査も緩く、申し込みから発行までのスピーディーなのものプラスポイント。
旅行まであまり日数が無い場合は、エポスカード→Booking.comカードの順に作る事をオススメします。
どちらも年会費無料なので、海外旅行保険クレジットカードを持つなら作らない理由がありません。
カード名 | 年会費 | 付帯条件 | 家族特約 | 傷害死亡 | 傷害治療費用 | 疾病治療費用 | 損害賠償責任 | 携行品損害 | 救護者費用 | キャッシュレス診療 | 引受保険会社 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
エポスカード | 0 | 自動付帯 | なし | 270万円 | 200万円 | 2,000万円 | 20万円 | 100万円 | あり | 三井住友海上 | |
Booking.comカード | 0 | 自動付帯 | なし | 300万円 | 100万円 | 100万円 | 2,500万円 | 20万円 | 150万円 | あり | 三井住友海上 |
370万円 | 300万円 | 4,500万円 | 40万円 | 300万円 |
ヨーロッパ・アメリカへの旅行で保険を厚くしたい
- エポスカード
- セゾンブルー・アメックス
- Booking.comカード
- ミライノカードゴールド
アジア圏の傷害・疾病500万円台の組み合わせに加えて、2枚のカードを追加します。
カード名 | 年会費 | 付帯条件 | 家族特約 | 傷害死亡 | 傷害治療費用 | 疾病治療費用 | 損害賠償責任 | 携行品損害 | 救護者費用 | キャッシュレス診療 | 引受保険会社 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
エポスカード | 0 | 自動付帯 | なし | 270万円 | 200万円 | 2,000万円 | 20万円 | 100万円 | あり | 三井住友海上 | |
セゾンブルー・アメックスカード | 3000(初年度無料) | 自動付帯 | なし | 5,000万円 | 300万円 | 300万円 | 3,000万円 | 30万円 | 200万円 | あり | 損保ジャパン日本興亜 |
Booking.comカード | 0 | 自動付帯 | なし | 300万円 | 100万円 | 100万円 | 2,500万円 | 20万円 | 150万円 | あり | 三井住友海上 |
ミライノゴールドカード | 3,000万円 | 自動付帯 | あり | 5,000万円 | 500万円 | 500万円 | 5,000万円 | 50万円 | 300万円 | あり | 三井住友海上 |
1,170万円 | 1,100万円 | 1億2,500万円 | 120万円 | 750万円 |
傷害・疾病治療保険は各1,000万円以上となり、通常の観光であれば十分な補償金額を確保できます。
また、損害賠償責任の補償金額は1億円になるので、文化財が多いヨーロッパ方面や訴訟が怖いアメリカでも安心できる金額です。
デメリットとしては、ミライノゴールドカードの年会費が3,000円かかってしまうので、海外旅行保険付帯のクレジットカードに慣れてきたら別の年会費無料カードに変更しても良いと思います。
ただし、家族がいるのであればそのまま持っておくことをオススメします。 ミライノゴールドカードには強力な家族特約が付帯しているので、家族旅行一回で十分元が取れてしまいます。
家族旅行でクレジットカードの海外旅行保険を使う組み合わせ
- セゾンゴールド・アメックス
- ミライノゴールドカード
家族での海外旅行保険を、クレジットカードの旅行保険でまかなうことも可能です。
どちらも年会費がかかってしまうクレジットカードですが、2枚のカードの年会費を払ったとしても、1回の旅行で海外旅行保険費用の元は取れてしまいます。
本人も家族も自動付帯なのでクレジットカードを持って行くだけでOKです。 また、現地で支払いが不要なキャッシュレス診療が可能です。
どちらのカードも同居の親族が家族特約の適用範囲なので、本人が同伴しない
- 両親だけの旅行
- 妻と子供だけの旅行
でも旅行保険は適用されます。
カード名 | 年会費 | 付帯条件 | 家族特約 | 傷害死亡 | 傷害治療費用 | 疾病治療費用 | 損害賠償責任 | 携行品損害 | 救護者費用 | キャッシュレス診療 |
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セゾンゴールド・アメックス | 1億円 | 自動付帯 | 妻・子・親 | 1,000万円 | 300万円 | 300万円 | 3,000万円 | 30万円 | 200万円 | 本人・家族 |
ミライノゴールドカード | 3000万円 | 自動付帯 | 妻・子・親 | 1,000万円 | 250万円 | 250万円 | 2,500万円 | 25万円 | 150万円 | 本人・家族 |
合計補償金額(家族) | 550万円 | 550万円 | 5,500万円 | 55万円 | 350万円 |