海外旅行保険に加入する「人」が決まったら次は旅行先。
海外旅行保険は費用や比較の基準がよく分からないので、ネットで調べてなんとなく良さそうだったり、評判がよさそうな保険を選んでしまいがち。
なんとなくで海外旅行保険を選んでしまうと、結局よく分からず心配なのでアレコレ付いていて安心できそうな保険を選んでしまいますよね。
意外かも知れませんが、海外旅行保険を選ぶときに重要になるのは実は旅行先なんです。
海外旅行保険は、旅行先にあわせて保険を選ぶ必要があります。
具体的には
- 重要になる保険の種類
- 必要になる保険の補償額
の2つです。
旅行先に合わせて、どれくらいの保険を持っておくべきかの基準を知っておきましょう。
3つの行き先で決まるベストな海外旅行保険!
海外旅行保険を選ぶ際は、大きく3つの行き先によって選び方が変わります。
- アジアエリア
- ヨーロッパエリア
- アメリカエリア
一般的な旅行先で分けると、こんな感じでしょうか。
アジアエリア | ヨーロッパエリア | アメリカエリア |
---|---|---|
韓国 | イタリア | グアム |
香港 | スペイン | サイパン |
台湾 | ポルトガル | ハワイ |
タイ | オランダ | アメリカ本土 |
マレーシア | ドイツ | |
シンガポール | イギリス | |
フィリピン | スイス | |
インドネシア | ||
中国 | ||
・・・など | ・・・など | ・・・など |
一般的な国の分け方とは違っていますが、3つのエリアに分ける理由は
- 基準となる医療費の高さ
- 一般的な治安の悪さ
になります。
たとえば、ヨーロッパエリアでは統計上スリや盗難被害が多くなります。
旅行先にも人気が高いイタリアは、国中どこでも博物館のような素晴らしい国ですがそこら中にスリがいます。
「いや、自分は大丈夫だし」
と思っていても狙われたら最後。
ナショナルジオグラフィックのドキュメンタリーで「スリの王様」ボブの手業を見てください。
[https://youtu.be/Ia2b54srRZM]
恐らくいつ盗ったかさえも分からないと思います。
そして、アメリカエリアでは医療費が異常なほど高額です。
グアムやハワイなどは私たち日本人にとっても人気の観光地なので、特に家族旅行での候補からは外せません。
気候も良く気分も開放的になるグアムやハワイですが、保険が効かない海外でケガや病気などで病院で治療を受ければ、数万、数十万の請求書を見て驚くと思います。
ハワイでも毎年高額医療費の事故が起こっています。
事故事例からザックリと見ると、骨折で300万円、脳や心臓のトラブルで1,000万円の医療費が請求されています。(ジェイアイ傷害火災保険 – 海外での事故例)
アジア旅行の海外旅行保険の選び方
韓国、台湾、香港、タイ、インドネシア、マレーシアといったアジア圏への旅行で重視する必要があるのは「疾病傷害費用」(病気)に関する保険。
観光ガイドブックなどでは見るこれらの国々はとても美しく見えます。
都市部などの中心部では先進国っぽいキレイな高層ビルや夜景の写真を目にしたことがあると思います。
とはいえ、一本裏路地に入ればそこはアジア。
衛生面でのインフラは日本と比べるとまだまだ清潔とは言えない事がほとんどです。
屋台や食堂で現地のローカル飯(メシ)をとるのも楽しみの一つなのですが、食事や水で体調を壊すことが多いのも事実です。
保険会社の事故事例から見ても、アジアでは飛び抜けて「傷害・疾病」の補償請求が多いことから病気やケガが起こりやすいことがよく分かります。
アジア旅行で重要な保険の種類は?
アジア旅行で重要な保険の種類は、
- 疾病治療費
- 傷害治療費
- 携行品損害
- 損害賠償責任
となります。
特に水や食べ物が原因となる体調不良は気を付けていても避けられないので注意が必要です。
とはいえ、あまりビクビクしながらでは食事も楽しめませんし、現地で神経質になりすぎてもリラックスできません。
万が一何かあったとしてもちゃんと保険に入っているから安心、と思えるような状態で旅行に行けるのがベストですね。
アジア旅行で確保しておきたい補償金額は?
アジア旅行に最低限確保しておきたい、各保険の補償金額は以下となります。
傷害治療費用 | 疾病治療費用 | 携行品損害 | 損害賠償責任 |
---|---|---|---|
300万円 | 300万円 | 20万円 | 2000万円 |
アジア圏はヨーロッパやアメリカに比べると医療費が安いので、病院の治療費となる
- 傷害治療費用
- 疾病治療費用
の金額に関してあまり神経質になる必要はありません。
風邪や腹痛で病院に行って薬を処方してもらったとしても、数万円程度の請求です。
風邪や腹痛で数万円と聞くとビックリしてしまうかもしれませんが、健康保険が効かない10割負担の海外で初診料を含むとこれくらいの金額になってしまいます。
なのですが、「キャッシュレス診療」が使える海外旅行保険であれば出費ゼロで治療が受けられるので心配は要りません。
ヨーロッパ旅行の旅行の海外旅行保険の選び方
イタリアやスペイン、ドイツやイギリスなどヨーロッパ圏への旅行で重視する必要があるのは「携行品損害」(盗難・破損)に関する保険。
スリが多いイタリアをはじめ、バルセロナやロンドン、パリなどでも日本人の盗難被害は後を絶ちません。
日本の感覚で机にカバンを置いて席を立ったり、スマホを机に出しっぱなしにしているとあっという間に盗られてしまうことも少なくありません。
そもそも、安全な日本の文化で育っている私たちとは常識が違いすぎるので、どれだけ気を付けていても「隙」は生まれてしまいます。
また、乗り継ぎが多くなるヨーロッパ旅行ではスーツケースや中に入っている貴重品の破損もよく起こります。
盗難被害に遭ってしまうと、テンションが下がるだけで無く被害も大きくなります。
ヨーロッパ旅行を安心して楽しむためには、持ち物の心配を軽減するための「携行品損害」の保険をしっかりと押さえておくことがポイントです。
ヨーロッパ旅行で重要な保険の種類は?
ヨーロッパ旅行で重要な保険の種類は、
- 携行品損害
- 傷害治療費
- 疾病治療費
- 損害賠償責任
となります。
ヨーロッパへの旅行では携行品損害が約42%、治療費用(傷害・疾病)が約32%と、携行品の被害が最も多くなっています。
携行品損害、治療費用(損害・疾病)のどちらも必要な保険ですが、ヨーロッパ旅行では携行品損害を厚くしておくことをオススメします。
みどころも多いヨーロッパではカメラやスマホを持ち歩くことも多くなると思いますので、シッカリと携行品損害を備えておくことをオススメします。
ヨーロッパ旅行で確保しておきたい補償金額は?
ヨーロッパ旅行に最低限確保しておきたい、各保険の補償金額は以下となります。
傷害治療費用 | 疾病治療費用 | 携行品損害 | 損害賠償責任 |
---|---|---|---|
300万円 | 300万円 | 50万円 | 5000万円 |
ヨーロッパエリアへの旅行では「携行品損害」の保険を厚くしておく必要があるため、最低でも50万円程度の補償を持っておくことをオススメします。
ヨーロッパに旅行する際に注意するポイントとしては、「10万円を超える高額なモノを持って行かない」ということに尽きます。
というのも、ほとんどの海外旅行保険では、1商品あたりの携行品損害保険の補償上限金額が10万円となっているからです。
つまり、10万円以上の高価な持ち物が盗難や破損に遭ったとしても、1商品あたり10万円までしか補償されないということになります。
たとえば、12万円で購入したばかりの新品のiPhoneが盗まれたとしても、携行品損害保険で補償される金額は10万円までとなります。
200万円のロレックスの時計が盗まれたとしても、補償される金額の上限は10万円までとなります。
とはいえ、バッグを丸ごと盗られてしまったり、スーツケースの中で液体が漏れて使えなくなってしまった場合になどには携行品損害保険を使う事ができます。
携行品損害補償の基準は持ち物によって変わるのでイメージしづらい所でもありますが、
- バッグの中身の総額
- スーツケースの中身の総額
を考えると、イメージしやすいと思います。
最低限、旅行先で持ち歩くモノ(スマホ、カメラ、バッグと中身)程度をカバーできる補償額を確保しておきましょう。
ハワイ・グアム(アメリカ)旅行の海外旅行保険の選び方
アメリカ圏(ハワイ・グアム・アメリカ本土)への旅行で重視する必要があるのは
- 傷害治療費用
- 疾病治療費用
に関する保険。
傷害治療費用はケガをしたときに病院の費用を肩代わりしてくれる保険、疾病治療費用は体調を崩したり病気になってしまったときの病院代を肩代わりしてくれる保険です。
体調に不安があったり現地でアクティビティーを予定しているのであればもちろんですが、そうでない場合にもこの2つの保険だけはシッカリと確保しておく必要があります。
というのも、アメリカ圏では病院の医療費が非常に高額なのでちょっとしたケガや体調不良で病院にかかっただけで驚くほどの請求書を受け取ることになるからです。
たとえばハワイだと、「風邪っぽくて少し熱があるかな?」程度でも外来での診療で数万円の請求が来ることも珍しくありません。
空気が乾いたハワイでは日向と日陰での体感気温がハンパなく違います。
特に、子供が海などで濡れた体で日陰やクーラーの効いた室内をウロウロしているとあっというまに体調を崩してしまいます。
ガマンできる程度の体調不良であれば問題はありませんが、縫う必要があるほどの切り傷や、不注意の骨折などに遭ってしまった場合には請求書の金額が一桁増えることになります。
アメリカ旅行を安心して楽しむためには、「傷害治療費用」「疾病治療費用」の保険を十分に確保しておくことがポイントになります。
ハワイ・グアム(アメリカ)旅行で重要な保険の種類は?
アメリカ圏で重要な保険の種類は、
- 傷害治療費
- 疾病治療費
- 損害賠償責任
- 携行品損害
となります。
アメリカ圏では何よりもまず、治療費用(損害・疾病)。
軽い体調不良くらいなら「ガマンする」という選択肢もあると思います。
自分自身のカラダなら我慢することもできるかもしれませんが、同行するパートナーや子供に「我慢しろ!」とは言えませんよね。
せっかくの旅行をガマンしながら楽しむのも寂しいですよね。
仮に、高額な医療費でも不安なく病院に行けるように、治療費用(損害・疾病)をシッカリと確保しておくことをオススメします。
ハワイ・グアム(アメリカ)旅行で確保しておきたい補償金額は?
ハワイやグアムなど、アメリカ圏への旅行に最低限確保しておきたい、各保険の補償金額は以下となります。
傷害治療費用 | 疾病治療費用 | 携行品損害 | 損害賠償責任 |
---|---|---|---|
500万円 | 500万円 | 30万円 | 5000万円 |
アメリカ圏では病院の医療費が高額になるため、「傷害治療費用」「疾病治療費用」の保険を最低でも各500万円ずつ確保しておきたいところです。
怖いのは「高額医療費用事故」といわれている、300万円を超える医療費が必要になる事故。
とはいえ、確率でいえばわずかです。
2017年のデータだと、300万円を超える高額医療費用事故は68件。 そのうち38%がシニア(65歳以上)なので、約26件がシニア以外の高額医療費用事故となります。 ジェイアイさんの加入者が約120万人と仮定すると、0.002%となります。
事故や病気は単純に確率で片付けられる問題ではありません。
なのですが、500万円程度の医療費をカバーしてくれる保険を持っておくだけで、ほとんどのケースでは問題が無いことが統計データから分かると思います。
旅行中は不安にならずに楽しめることが目的だと思います。
ですので、補償金額に不安だったり、シニア(65歳以上)の場合には、補償金額を上乗せして増やしておくことをオススメします。